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7月の京都

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7月の便り
           
最寄り駅にてハンカチを落とす          
少し大判でタオル地のお気に入り
           
京都行き急行に乗る
           

           
木津川を渡る
           
宇治川を超える           
桂川を眺める           
そして鴨川に着く           
奈良から京都へ・・・・・

           
JR京都から琵琶湖線に乗り           
山科で地下鉄東西線に乗り換える

           
急いで駆け込み乗車をして           
反対往きの電車に乗ってしまう           
次の駅で引き返して小野駅に到着

           
行った事のない知らない洛南の神社へ向かう           
蝉の声が鳴り響くなか、その山沿いの神の社へ           
照りつける太陽が日焼けしたやけどの肌を刺す

           
古い土壁づたいに左え曲がる           
昌泰三年(西暦900年)に醍醐天皇に建てられ           
千有余年の歴史がある

           
寺の中の庭園を奥へ歩いてゆくと           
平安時代からあるという
睡蓮が咲く池が迎えてくれる           
平日という事もあり園内は私一人           
突然の訪問者に驚いてか
           
青鷺、白鷺が『キャーキャー」と喚く
           
池を覗くと錦鯉が口をパクパクせわしない

           
睡蓮を眺めながら池づたいに歩いていると           
突然空が黒くなり見る見るうちに雨が降ってきた           
慌てるもなくきれいな睡蓮に目を盗られていると           
ちょうどへちまの棚植のベンチがあったのでしばし雨宿り         
雨の蓮池は風情があり良いものだ

           
すると、少し時代遅れのゆかたを着流した女性たち           
(若い娘風や何処かの女将さん風)が          
そろそろと、そばへ寄って来た           
雨の音で聞こえなかったのか、ふいに現れたのである

           
その5~6人(確かではない、あるいはもっといた?)は、           
なにやら古い扇子見たいなのを扇ぎ           
私がそこに居てないみたいなそぶりで           
口々にしゃべりだした

           
「毎年、宵山の刻は雨が降りはるなぁ〜」           
「ほんま、うっとしいことどすなぁ〜」           
「そやけど○×はん、昨日も夜帰ってへんゆうてましたさけぇ、           
お盛んどすなぁ〜」
 
          
・・・・・・・中略

           
「あっ、お静はん今あんさんの足下で蛙が跳ねはりましたでぇ」           
「まぁ〜そんな脅かさんとくれやす」           
「さぁー雨も小振りになってきたどすさかいそろそろいきまひょかぁ〜」          
「あっ今そこでなんか音しませんどしたか?」           
「またあんたはんそんなん言うてェ」

            
と、その人が私の方を確かに見た(目が合った)            
(その時,実は私はあまりにも蚊がうるさくまとわりつくので            
持っていたジッポーでカチッと鳴らし火を付けたのだ)            
目が合ったと思ったので私は無礼を謝るように目で挨拶した            
たしかに目が合ったのにぜんぜん私がさも居ないかのごとく            
その人は私の目の中を通り越して見つめるのである

           
「ほな、いきまひょか〜」            
と、一番年配らしき人がみんなに促した

            
その人達はそろそろと、(ぞろぞろではない)            
なぜか、池の裏側の林の方へ消えて行った
            
残された私は何か悪いものでも観せられていたかのように            
その後ろ姿を見送っていた            
林の向こうからかすかにその場では聞こえるはずのない            
祇園バヤシの『コンコンチキチン〜』
という音色が聞こえたような。。。
            
そしてまた、雨が本降りになりだしたので            
なにを考える事なくその場でしばらくの間            
雨の音を聞きながら蓮の葉にはじけて溜まる            
水溜まりを何かに憑かれたように見つめていた

            
はたしてあの者達は、この世の人?
            
もしくは今の時代の人達だったのだろうか?            
林へ向かう時にある看板もあやしげ            
話の中で京都のことを「京」と言っていたのも少し気になる            
それに「お静」という名前            
こんな所に?カエル?みたいな驚き             


            
15分ほどし、雨も小雨になってきたので            
その謎めいた不思議な体験をしたお寺を後にした








             
東西線の地下鉄に再び乗って烏丸御池まで出た             
地下鉄を降り出た市内は雨も止み             
祇園祭のまっ只中で非常に賑わっていた






             
それにしてもなぜ、今日自分は突然あのお寺に行ったのだろう。。。。

             
今日の朝からの行動を思い出してみると             
けっこう腑に落ちなかった事も沢山ある          

             
自分自身のほうがあの時、タイムスリップしていたのだろうか?             
時空のゆがみかなにかの異変で・・・・
             








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by easytempo10 | 2009-07-17 13:44 | 京都 | Comments(0)
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